どぅるちゃん日記

Prem Durga:Osho Sannyasin 瞑想のあしあと

ウェイト=スミス・タロット物語

読みました。


ウェイト=スミス・タロット物語 いま明かされる世紀のカードの成立事情

K・フランク・イェンセン著/江口之隆訳 ヒカルランド刊

タロットといえばこれでしょ、というくらいの知名度を誇るこのタロット、しかし、その生みの親であるアーサー・エドワード・ウェイトや画家 パメラ・コールマン・スミスのことについては、なかなか知る由もない。そもそもカード自体、「ライダー版(ライダーは出版社の名前)」とか「ライダー・ウェイト」と呼ばれているくらいだ。そういう意味で、この本はひとつの美術史としてもおもしろかった。

ヘイズ先生の講座でも触れられていたことだけど、ウェイト氏は相当のこだわりと自信をもってこのタロットを世に送り出したわけだが、象徴の使い方やカードの配置など、謎な点が多い。そして、パメラA~Dと呼ばれるいくつかのバリエーションがあることも、普通にカードをいじっているだけではまったく気が付かないことだ。

東急ハンズでも買えて、女の子なら一度は手にしたことがある(だろう)このカードの背景には、研究対象となるだけの歴史がある。
商品としてひとたび手を離れたら、あとは消費者の自由ではあるけれど、さらに作者であるウェイトやパメラに敬意を払い、このカードを手にしよう、もっと勉強しようと気持ちを新たにさせられる読後感であった。
内容としては占術のスキルアップにはさほど関係がないであろうとはいえ、タロットを扱う身としては読んでおきたい一冊だと思う。

巻末では、翻訳者であり西洋魔術博物館主宰の江口之隆さんがイェンセン氏がたどりつけなかった部分に補足を加えている。後進に引き継がれた謎がひとつずつ解明されていくことのおもしろさとうれしさ。

イェイツの名がよく出てきたので、むかし買ったこの本をひっぱりだしてきた。やばいなあ。また気ばかり急いてつんどくが増えてる(どうせ読まないのに…)